「19時着○○発308便は、吹雪のため……、到着が遅れております。到着時刻は未定です」

ガラスの向こうを見ると雪が逆巻いている。

空港を冬の嵐が襲っていた。

携帯端末でニュースを見ると、全国で飛行機が欠航していた。



「20時着△△発225便は、吹雪のため、出発空港に引き返しました」

驚いて館内放送に聞き入る。

外に飛び出す。顔を雪が叩く。鉛色の空を見上げる。

「しおん」

叫びは吹雪にかき消えて彼女には届かない。



 

 
飛行機を降りる人々の群れに彼女を見つけた。

輝く宝石を見つけたような気がした。

「待った?」

彼女がコートを小脇に抱えて走ってくる。



 

 
「仕事先から直接来たのよ。向こうも雪がすごかった……」

無事に到着してよかった。とにかくそれだけ。



 

 
「んー、どうしてた? 元気だった?」

彼女を見つめると元気が出る。

希望が湧いた。



 

 
「さあ、早くいきましょ。おなかすいたよ。何も食べてないんだから」

彼女が駆けていく。

追いかけて私も走り出す。









 

 




Music:甘茶

音楽が流れます。スピーカーをonにしてお楽しみください。



 

Back